ネットラジオ『多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所』は、弊社代表の高木と社労士の田村陽太が、飲食店、整体院、美容院等の様々な店舗ビジネスの「多店舗展開」を加速させるために重要な事を対談形式でお話しするラジオ番組です。
第24回『エステサロンを経営しています。これからマニュアルをつくりたいと考えています。つくり方のポイントを教えてください。』というテーマで店舗ビジネス専門コンサルタントの髙木悠が熱く語ります。
【ハイライト】
・マニュアルの重要性について
・マニュアルの作り方のポイント
・決め手は「全体像」と「具体性」
・マニュアルは「カテゴライズ化」
・自社の強みの引き出し方
多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所。この番組は株式会社常進パートナーズの提供でお送りいたします。
店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠が最速・最短で年商30億、店舗数30超を実現する実証されたノウハウをコンセプトにのれん分け制度構築、FC本部立ち上げ、立て直し、人事評価制度の整備など飲食店、整体院、美容院などの様々なビジネスの多店舗展開を加速させるために重要なことを対談形式で分かりやすくお話しする番組です。
田村:こんにちは。パーソナリティーの田村陽太です。配信第24回目となりました。本番組のメインパーソナリティーをご紹介します。店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠さんです。よろしくお願いします。
高木:よろしくお願いします。
田村:高木さん、今日もやっていきましょう。本日の質問はこちらとなっております。「エステサロン経営者です。これからマニュアルを作りたいと考えています。作り方のポイントを教えてください。」これ、マニュアルっていうのは業務マニュアルですかね?あるんでしょうか、そういうポイントみたいなところが。
高木:マニュアルはポイントが結構ありますよ。まず、やっぱりこのマニュアルの大切さっていうところを説明していった方がいいかなと思うんですけど、結構弊社とお付き合いある企業だと、3店舗ぐらい経営されてる会社とか3~10店舗ぐらいの会社さんが多いんですけど、マニュアルないって結構あるんですよ。
田村:そうなんですか。まだいいかなみたいな感じですか。
高木:そうですね。なんとなくマニュアルは一応あるんですけど、本当ふんわりしたマニュアルだったり、人によって考え方が違うマニュアルだったりするケースが結構あって、だから統一されたマニュアルになってないような感じですね。
田村:人によって違うマニュアルってどういうことですか。
高木:何種類もマニュアルがあって、作った人だけが良いと思ってるマニュアルになってるみたいな(笑)
田村:そうなんですか(笑)その人の経験から培ったマニュアルみたいな。
高木:そう。他の人が見るとそうじゃないよとかとなっちゃってるマニュアルとか結構あるんですよ。結構あるあるだと思いますよ。その状態だと、私の経験則で言うと、だいたいオペレーションのやり方が統一できてない。どんなビジネスにも、「ここがお客さんの満足度を勝ち得るために重要だ」みたいなポイントがあるわけですよ。
田村:はい。
高木:だけどそこのやり方が決まってないから、人によって漏れてしまってたりとかやり方が違ったりするんですよね。店舗展開していく中でやっぱりやり方が決まってない、特に成功ポイントのやり方が決まってないっていうのは致命傷です。だから店舗が増えていくと社長の目が行き届かなくなってきて、結果的にそういった店舗の業績って落ちていくわけですよ。だからやっぱり3店舗とかを超えたら、もうマニュアルって作らなきゃいけないですよね。
田村:なるほど。社長さんの目が行き届かなくなってしまうんですね。
高木:そう。だからその段階でやっぱり競争力を維持していこうと思ったら、やっぱり自社の成功ポイントがまとまったマニュアルっていうのはやっぱりもう不可欠になってくると思います。だから素晴らしいですよね。今回そのマニュアルをちゃんと作りたいそうですから。
田村:そこら辺にやっぱり自分たちの欠点があるって感じとってるんでしょうね、多分ね。
高木:マニュアルの作り方なんですけどね。やっぱりいろんなマニュアル見てきてますけど、まず重要なポイントは全体像を示すっていうことでしょうね。
田村:具体的に教えてください。
高木:例えば、接客のやり方みたいなことっていろんなポイントがあると思うんですよ。例えばどういう表情でやるとか、何かどんなお声掛けをするとか、どんな姿勢があるかとかです。あとは接客って言っても、例えばエステサロンで、お客さんがいらっしゃって、受付するときとか、あとは待合室で待っててもらって、施術する部屋に連れて行くときとか、ポイントポイントでいろんな接客をする場所があるわけじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:わかりにくいマニュアルって、そういう全体像が示されないまま細かいことばっかり解説されていく。だから、待合室に連れて行くときにはこうやるんだよとか書いてあったとしても、全体像がよくわからないからなんとなく頭に入ってきにくいんですよ。
田村:なんでそもそもこの接客しなきゃいけないんだろうっていうのが分かりにくいとかですよね。
高木:そうそう。あと例えばそういった部分を教育していきたいと思うんであれば、何で接客が重要なのかみたいな基礎的な条項から入っていって、その後に接客の一連の流れってどうなってるのかみたいな、お客さんが来店されてから実際帰るまでにどういう流れになっているのかと。
田村:はい。
高木:例えば最初に挨拶するときっていうのは、その後具体的にどういうポイントがあるのかっていう風に、全体像が示された上でその後に個別個別の話に入っていくと頭に入りやすいですよね。
田村:そうですね。
高木:特に新しい人が来たときに、お店の流れとか全然わかんないわけじゃないですか。それで接客の仕方のポイントポイントだけ教えられても、頭に入るわけないと思うんですよ。
だからまずは一連の流れってこうなってるんですよって覚えて、最初はそこだけでいいと思うんですよね。でもそれを練習していく中で、「あれここってどうだっけ?」とか出てくるわけじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:そのときにそういった細かいポイントに飛べるようなマニュアルの構造にしていく。だからまずは全体像をきちんと示すっていうことが本当に重要です。
田村:なるほど。一つ質問なんですけども、全体像を示すっていうところで、この接客にはこういうことが大事っていう経営者の思いがあるじゃないですか。どうやってそれを文章に起こしていくもんなんですか。マニュアルに関して書き方とかコツってあるんですか。
高木:マニュアルの一番の作り方のコツで言うと、どれだけ具体的に示せるかってことだと思いますよ。結局マニュアルって例えば抽象的な表現、どんなものがあるかっていうと接客で言うと、「気配りを大切にしましょう」とかってマニュアルに書いてあるケースってあるわけですよ。
田村:はい。
高木:でも気配りって何ですかって話なわけです。
田村:そうですね、ちょっとわかりにくいですね(笑)
高木:でも結構そういうのってよくあるんですよ。最高の笑顔で接客しましょうとか、ありますよね。ホスピタリティを大切にしようとか。こういうのは抽象的なマニュアルなんですよね。
田村:はい。
高木:それって結局マニュアルでは教育できない部分をマニュアル化しようとしてるんですよ。抽象的なものってマニュアル化してもあんまり意味がないですよね。というのは抽象的だからそれだけ読んでも人によって受け取り方が違うから、そういうのは実際に教育する人が横で指導してくれるような感じの教育がないと難しいわけですよ。
田村:はい。
高木:だからマニュアルは、ちゃんとそれを見ただけでわかるような状態にしないといけない。
田村:わかりやすいですね、なるほど。
高木:だからどれだけ具体的にしていけるか。これはやっぱり会社の人が自社で作ろうとすると、それが当たり前だからその抽象的な表記でもわかる人はわかっちゃうじゃないですか。ここに結構盲点があって、そこをできるだけ「これはどういうこと?」っていう観点で掘り下げていく。気配りって何ですかっていう話なわけですよ。
田村:そうですね。
高木:例えばお客さんが入店したときに、「気配りを大切にしましょう」というのがどういうことなのか。それは例えばお客さんが入ってきてから、3秒以内にちゃんと話しかけましょうとかね。3秒過ぎて対応できなかった場合っていうのは、「お待たせして申し訳ございませんでした」という一言を添えましょうとか、一段掘り下げると、私とかでもこういうふうにやればいいよねってわかるわけじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:そういう風に具体化していく、最高の笑顔って何なんだという話だったら顔の口角をどうするのとか。それが文章で表現するのが難しいものっていうのは画像で示したり、最近で言うと動画マニュアルとかっていうのがあるわけですよ。
田村:はい。
高木:そういうのをうまく活用して、具体的になかなか文章で示されないものは画像とか動画で示していく。こんなことが大事なんですかね。
田村:そうすることで従業員さんが一目でマニュアルを見たときに、ちゃんと一つの意味で捉えてくれるというか、人によって捉え方が違うとかなくなりますよね。
高木:そう。感覚じゃないんで、具体的なものとして捉えられるからブレが出にくいですよね。
田村:なるほど。もう一つ質問なんですけども、その掘り起こし方、具体的に書いていくと、やっぱり文章でめちゃめちゃ長くなるじゃないですか。長くなってきたマニュアルを従業員さんが読むのかなって考えたら、読まないんじゃないかなと思ってしまったりしたんですけど、その辺のまとめ方、具体化するけどまとめるっていう作業が必要じゃないですか。それはどうやってやっていくんですか。
高木:なので、そこはさっきお話した全体像で捉えて、その全体像をカテゴライズしていくようなイメージなんじゃないですかね。一連の流れっていうのがあったとしたら、その一連の流れで重要なことを全部いきなり具体化していったら膨大な量になるから、訳わかんなくなると思うんですよ。
田村:はい。
高木:だけど多くのマニュアルってそうなってるんですよ。だからまず接客の流れっていうのはどうなっているかって全体像を示すと、何個かに分類できると思うんですよね。お客さんの入店時のとき、受付のとき、施術室への案内のとき、施術のときとかって分類できるじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:その分類した中でもさらに分類できたりするわけですよ。だから受付のときで言うと「まずお客さんがいらっしゃいました→ご挨拶します→その後お名前を記入してもらう→最後に待合室に案内する」というように分解できるわけじゃないですか。
田村:はい。
高木:そういう風に、全ての業務を最初に全体像で捉えて、全体像でまずは見出しみたいのを作っていくわけですね。本とかも絶対見出しになってるじゃないですか。ああいう構造にしていって、そこから細かいことを書いていくわけですよ。
田村:なるほど。接客だったら、入店時なのか来店時なのかとか、そういうのをカテゴライズしていく。
高木:そうそう。そうしたときに、最初は結局膨大な量になるんですよ。最初は全部見るわけじゃないですか。いっぺんに頭に入らないわけですよ。「ここわかんなくなっちゃった!」っていう風になったときに、ちゃんと全体像からカテゴライズされてたら、そこだけ見ればいいわけじゃないですか。
田村:はい。
高木:そうすると現場で使えますよね。そういう考え方で全体像を捉えて分類していって、細かいところは具体的に書いていく。
田村:なるほど、すごいわかりました。最後に近づいてきたんですけども、エステサロンの経営者で業務マニュアルを作っていきたいという話なんですけども、これから自分たちで作っていきたい経営者さんが、エステサロンに特化して、こういう風にしていったらマニュアルが作りやすいんじゃないかっていうワンポイントアドバイスみたいなのを教えていただけると助かります。
高木:自分のサロンの中でお客様の満足度を上げていくための最重要ポイントってあると思うんですよ。これって当然ビジネスモデルによって違ってくると思うんですけれども、最重要ポイントがどこなのかっていうところはやっぱり最初に特定した方がいいですよね。例えば、エステとかそういった施術系の商売で、そこのビジネスモデルを結構深掘りしていったときに、うちはここが大切だっていうところがあったんですけど。
田村:はい。
高木:それが何かっていうとお客さんの施術前と施術後のビフォアアフターを、ちゃんと目に見える形で説明して、効果を体感してもらうみたいなことが大切なポイントだねっていうところに辿り着いた所があったんですよ。
田村:はい。
高木:そこがやっぱり特定できると、もうそれだけは本部の理想的な姿で実行しないと、優位性が維持できないじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:だからそれは特定できたらいつやるのかと、具体的にどうやるのかと、どういうツールを使うのかっていう風に具体的に特定していって、人によって違いが出ないようにする。もうこれだけでマニュアルの効果を発揮すると思うんですよね。
田村:はい。
高木:まずはそういったところから作ってみるといいのかなと思いますけどね。
田村:なるほど。自分たちの強みというか、ココが良かったっていう振り返りっていうのはどんなふうにやっていくんですか。これが売上に繋がったっていうところの振り返り方ってどうするんですか。どうやって振り返ればいいですか。
高木:会社として一番わかりやすいのはお客さんに聞くことですよね。なんでうちを選んでくれたのかと。やっぱりそこに解があるじゃないですか。よそじゃなくて、なんでうちなんですかって話なわけですよ。そういうのは大規模にアンケート取ってみて、多かった答えをそこからまずはマニュアル化してもいいかもしれないですね。
田村:なるほど。聞いちゃっていいんですね、お客さんにね。
高木:それはもうどんどん聞いた方がいいですよね。
田村:なかなかそこができてない経営者の方がいるかもしれないですね。ズバっと回答して頂きありがとうございます。今日は貴重なお話ありがとうございました。
高木:はい、ありがとうございました。
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