人材育成

経営者が社員に関心を持つことの効用とは

「いい会社を自分で作る!」と決めた人

「お話はとてもありがたいのですが、…少し考えさせてください。」そう言って、目の前で携帯電話を切った社長が「失礼しました。取引先企業が新人を長期で受け入れてくださる話なのです。コロナの影響でトレーニングを兼ねた現場が無いので、本当にありがたいのですが、うちの金の卵ですから簡単には決められないのですよ。」そういって微笑まれました。

人に関する経営課題をお聞きしていた途中の電話であり、その言葉を耳にした私は、「この社長は社員に対する思い入れがちょっと違う…」と感じ、思わず会社を作った動機を聞いてみました。
すると「とにかく前職の経験から、『いい会社を自分で作る!』そう決めて仲間と一緒に作った会社なのです」と静かに答えられました。

人は皆、幸せになる権利を持っている

「仕事は当然楽しいことばかりではない。でも『この会社にいてよかった』そう社員が思う会社を作りたかった…なぜなら、人は皆、幸せになる権利を持っていると思っているからです」と続けられました。
その後、前職での苦労をいろいろお聞きしましたが、どうやら「人を使い捨てにする経営者のもとで、管理の責任者」であったようです。
「だから私は、現場業務はできないのですよ。管理しかしたことないので」と、ちょっとはにかんだ笑顔が印象的でした。

私にはその経営者の「人は皆、幸せになる権利を持っている」この言葉がとても胸に響きました。
当たり前のようで、普段、なかなか口にしない言葉だったからかもしれません。
またこの社長とお会いする前に、人事コンサル仲間と「安心・安全な場を作れる経営者とは」という話をしていたこともあったからかもしれません。

組織内のコミュニケーションを大切に

では具体的に「人は皆、幸せになる権利を持っている」と考える社長は、どんなことをしているのでしょうか。
詳しく話を聞くと、「働く社員を大切にしている」こと、そのために「コミュニケーションを大切にしている」ということでした。
そのコミュニケーションを要約すると「縦のコミュニケーションは風通しよく」「横のコミュニケーションは帰属意識を持たせる」ものでした。

組織におけるコミュニケーションは、プライベートのコミュニケーションとは違い、組織の目的を達成するために確実に情報伝達を行うためのものです。
ですから端的に言えば、「上下間の指示・命令と横の情報伝達」のことであると考えます。
そしてこのコミュニケーションは、人間でいえば神経伝達のスムーズさと同様であり、情報伝達が速ければ、企業や組織の動きも速くなります。

しかしこの情報のやりとりは、複数の人間を介するため、縦横の間にお互いの「感情」「関係性」が入り込むことで、速くなったり滞ったり、途中で意味が違ったり…と、時と場合によって、または企業によっては、企業活動そのものに不具合を引き起こしているのです。
ですから単純なようでも根の深い問題であり、組織内でのコミュニケーション不全に悩まれている経営者は少なくないでしょう。

経営者が社員に関心を持つことの効用とは

前述の経営者は社内の縦横のコミュニケーションをよくするために、率先して様々な取り組みを実施していましたが、特別なものばかりではありませんでした。
むしろごく普通に思いつくこと、組織の中で必要だと思うことを、淡々と行っている印象でした。
しかしその中で、常に貫かれていたのは「社員一人一人に深い関心を持っている」ということでした。

企業規模により、この「一人一人」「深さ」は変わらざるを得ないと思いますが、「社員に関心を持つ」ことは「社員の視点を持つ」「社員の立場で考える」ことにより、どの企業規模の経営者でも可能なことだと思います。
そしてその時に大切になるのが「人は皆、幸せになる権利を持っている」という、自分以外の人に対するあたたかな眼差しではないでしょうか。

この「人は皆、幸せになる権利を持っている」ことを別の角度から表現すると、「人は基本的に幸せになろうとする存在である」つまり「人は幸せになると思えることなら、その方向へ向かう」ということです。
そしてこの人が持つ当たり前の習性を、企業経営に意識して取り組むことが、よりよい企業、よりよい職場を作る上で、大変有効なのではないかと思います。

ですから、経営者として「まずは社員に関心を持って、社員の視点から自社を見てみる。そのうえで、どうしたら社員が幸せに、そして企業も幸せになるWin-Winの関係が作れるのか」
この視点を経営者が持つことが、企業の実現したいビジョンへ、社員も一緒に向かう企業を作る第一歩になるのではないでしょうか。

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