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フランチャイズ本部が取り組むべき加盟店離脱対策の考え方

加盟店にとって、フランチャイズ加盟継続の最も大きな経営判断基準は利益の有無にあります。
逆にフランチャイズ本部にとっては、“加盟者数の確保”は当該ビジネスの成長エンジンです。

事業の持続的・安定的な成長の為には、フランチャイズ本部としては多くの加盟店を抱えておきたいものですが、逆に財務・フィジカル・メンタルなどの面で余裕のない加盟者をいつまでも抱えておくのも大きなリスクです。

残念ながらある日突然に離脱せざるを得ない加盟者も存在します。
今回の新型コロナウイルス騒動のような急激な環境変化があれば、加盟店の大量離脱が生じることもあるでしょう。
加盟店の大量離脱が生じれば、本部の屋台骨を揺るがしかねません。

そこで今回はフランチャイズ本部として、加盟店離脱に備えたリスクヘッジの考え方について触れていきます。

なお、フランチャイズ本部構築の進め方や成功のポイントについて詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。

新規事業をしたい人必見!フランチャイズ本部立ち上げの7つの手順と、FC展開成功のたった3つのポイント


解約リスクの重みに応じて加盟者を「選別」し、可視化しておく

加盟店の持っている有形・無形資産は千差万別です。

スタッフの教育が行き届き、オペレーションレベルの高い加盟店や、逆にクレームの多い加盟店。
資金力があり他店舗展開できる加盟店と脆弱な加盟店。
加盟オーナーの年齢の若さも、長期的視点で見れば大事な資産と言えるでしょう。

フランチャイズ本部として事業を長期的に持続成長させていくには、
それぞれの加盟店とビジネスパートナーでいられる期間はどれくらいなのか、
言い替えれば、それぞれの加盟店の解約リスクはどの程度あるのか、
このことを想定しておかなければなりません。

その為にも、加盟者の基礎情報をベースに、定量的・定性的の両方の側面から各加盟店の解約リスクを想定し、リスク毎に加盟店を選別しておくべきでしょう。

加盟者の基礎情報とは、加盟時に取得した加盟者の個人情報です。
最近では高齢の加盟者も珍しくないため、収益や資産状況はもちろんのこと、加盟店オーナーの年齢や病歴なども重要な要素となります。

また、各加盟店の解約リスクを想定する際の定量的・定性的着眼点としては、以下のような内容が挙げられるでしょう。

定量的に捉えた解約予備軍

・外部環境の影響から売上不振
・別事業の不振から法人が債務超過
・開業資金・運転資金の返済状況
・使途不明な経費・貸し付け
・売上送金の遅延発生歴
・税金未払い・滞納歴

定性的に捉えた解約予備軍

・人手不足から疲弊するケース
・親族の要介護から経営困難
・業績不振・利益確保困難から精神疾患を患うケース
・オーナー自身の体力の限界を感じるケース

これらの情報から、各加盟店の解約リスクを想定し、選別しておくのです。

加盟者の基礎情報や定量的・定性的情報は、時間が経てば変わっていきます。
常に新しい情報に置き換えられるようなデータベースにしておく必要があるでしょう。
常に最新の情報で可視化できることに意味があるのです。

 

解約リスクの選別で見えてくるもの、獲得できるもの

リスクの選別をする前提の情報は、加盟店へのヒアリングから始まります。

悪い情報は隠したくもなります。
従って確度・精度の高い情報を集めるためには、日頃の信頼関係が欠かせません。

定量的・定性的の両面で把握することで、少しずつ加盟店の状況が掴めてきます。
ヒアリングの中から垣間見る、加盟店の本音や現時点での心情にも耳を傾けて盛り込んでおくのもいいでしょう。

「儲かってはいるものの実は辞めたい」
「日頃は口にしないが複数店経営の野心を持っている」
「今のビジネスは継続したいが本部にS O Sを出したい事情がある」
など、このような潜在化している加盟者の想いを拾うことができれば、情報の精度が高まります。
これらの加盟店の声は、将来、本部が打つ施策にも大いに役立つでしょう。

これらの定性的・定量的の両面で加盟店を選別し、
どの加盟店にどれくらいのリスクがあるのか、
契約継続期間はどれくらいなのか
を想定(仮説)しておくことで、今後の施策の打ち方も変わってくるはずです

これらの情報は「店舗マスタ」・「加盟店マスタ」として厳密に管理することで、本部にとって大きな財産になります。
フランチャイズ本部にとってコアな経営資源と言えるでしょう。

 

加盟店との信頼関係を維持するには

信頼関係とは言いますが、本部として「できること」と「できないこと」を、事前にはっきり伝えておくことも大切です。

親身に相談にのり、可能な限りのアドバイスをすることが大切であることはいうまでもありませんが、原則フランチャイズパッケージスキーム以外は加盟店の自己責任です。
本部に頼りきりの加盟者には、自覚を促し厳格に指導することも必要です。

対等なパートナーは、互いに高いレベルでこのビジネスに向き合うことが必要なのです。
このバランスを欠いた時点でフランチャイズビジネスの崩壊が始まります。

本部に頼りたくなる加盟店の責任例

・人手不足問題、店舗スタッフの雇用
・運転資金・開業資金の調達と返済
・親族・家族の問題
・加盟者の健康問題

上記のような事象に対しては、加盟店の責任の下で解決するようはっきりと伝えるべきでしょう。

一方的に加盟店のわがままを受け入れることが信頼関係ではありません。
厳しいことを明確に言える本部(SV)でなければならないのです。
逆に優しいだけの本部では信頼されないのです。

 

まとめ

フランチャイズ本部にとって、加盟店の質と量はビジネスの源泉です。
最も大切な経営資源といえるでしょう。

この経営資源を守る為にリスクを把握し、必要な対策を講じておくことは当然のことです。

加盟店はビジネスパートナーであり、フランチャイズ本部とは資本関係もなければ雇用関係もありません。
意志のある加盟者をコントロールする難しさがフランチャイズビジネスです。

信頼関係を維持する上でも、FC本部の屋台骨を守る意味でも、加盟店の立場から解約リスクを想定し、あらかじめ必要な対策を講じておくことが必要でしょう。

 

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