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人事評価制度と評価面談の進め方

(1)評価面談とフィードバック面談

人事評価制度における業績評価の面談は、目的で分けると2つあります。1つは、部下の成果やプロセス、自己評価を確認する評価面談。もう1つは、評価が決まった後に評価を伝えるフィードバック面談です。通常、会社の決算や処遇の見直しは年1回行いますので、それにあわせて評価面談も最低限通期で1回行う必要があります。また、年1回の評価面談とは別に業務の進捗やプロセスの確認、業務内容の修正などについて上司と部下とでコミュニケーションをとる場を四半期もしくは半期に1回程度等、頻繁に実施することが望ましいと言えます。
面談においての留意点は、評価面談後に個人の評価が決まりますので、必ずフィードバック面談を実施することです。評価面談とフィードバック面談はセットで考えます。人事評価の目的は、成果にもとづいて評価を行い処遇に反映させることと、評価を通じてあるべき姿と現状の姿のギャップを理解させ、ギャップを埋める支援を行うことですので、フィードバック面談を行うことではじめて人材育成につながると考える必要があります。

(2)評価面談の進め方

それでは、評価面談はどのように進めるのでしょうか。表1 評価面談の進め方をご覧ください。評価面談は、部下の成果や成長を評価するための面談ですので、事前に評価シートを渡し、記入してもらった上で面談に臨みます。

表1 評価面談の進め方

アイスブレイクアイスブレイクとは、面談の初めに緊張を和らげ話しやすい雰囲気を作り、コミュニケーションがスムーズにいくようにすることです。部下から発言しやすい環境を整えます。
面談の目的会社の運営体制に沿った目的を最初に述べます。例えば「年に1回の期末の定期面談で1年間の業務の成果を確認して評価を行うこと」などです。その時に、「今年度力を入れた業務や改善した点をしっかり教えてほしい」、「プライベート含めて、気になっていることや会社に伝えたいことを話してほしい」など、要望も合わせて伝えます。
自己評価の説明持参した評価シートをもとに、自己評価を部下に説明してもらいます。上司が口を挟みたくなることもありますが、まずは部下の話をしっかり聞いてください。
質疑応答部下自身の評価結果をもとに、事実としての成果と工夫したプロセスを聞きますが、もし部下の説明に不足があれば、評価結果を理解するため、また、部下の良い点や頑張った点、改善すべき点を見つけるために質問をします。
クロージング両者が伝え忘れたことがないことを確認します。必要に応じて、今後のスケジュールを知らせます。部下への期待や要望を伝えることもよいでしょう。最後にお礼を述べて終了します。

面談の初めに簡単にアイスブレイクします。言葉のとおり、お互いの緊張を和らげることです。冒頭から評価の良し悪しの話になることは避け、アイスブレイクで場をほぐします。上司のキャリアが豊富で部下と年齢が離れている場合や、メインの職場や勤務時間帯が異なり、すれ違いが多い場合もありますので、日常のコミュニケーションの度合いにもよりますが、面談の導入として重要な役割です。
続いて、面談の目的を伝えます。何度も行っている人はわかっているかもしれませんが、人事制度や評価方法の変更があった場合やお互いが初回の面談の場合は、丁寧に伝えたほうが良いでしょう。そして、評価シートに記載した内容に沿って、部下に自己評価を成果とプロセスとともに説明してもらいます。部下が自分の成果をどう捉えているのか把握することが重要です。途中で上司が口を挟みたくなることがあるかもしれませんが、上司が話を始めると誘導してしまう場合もありますし(相槌くらいであればよいですが)、部下が伝えたいことを伝えきれないかもしれませんので、自重したほうがいいでしょう。傾聴の姿勢が大切です。
その際、評価とその根拠に疑問が生じたり、本人が気がついていない成果があった場合は、質問をして深掘りをしていきましょう。日常から部下の行動をよく観察しておき、事前に部下が評価面談で話すであろうことを想像しておくことで、質疑が活性化します。そして、最後にお互いが伝え忘れたことがないことを確認して、上司がお礼を述べ、面談を終了します。時間は全体で1時間くらいが目安です。

(3)評価面談のセオリーを理解する

初めから面談をそつなくこなそうと力む必要はありません。初めは誰でも難しいものですので、セオリーである一般的な進め方を理解することが大切です。これを知らずに自己流で行っていると、評価面談において重要な内容を聞き取れなかったり、正しい評価ができず、部下に不信感を持たれたりしてしまうかもしれません。人事評価制度は、会社の経営理念や経営方針と一体となった運営をしてこそ、従業員から信頼される仕組みとなりますので、評価者を教育するために、会社として評価者訓練を行い、評価者として最低限理解すべき知識を習得することが大切です。面談する度に進め方が異なったり、別の上司と面談すると進め方や評価が全く異なる、といったことがないようにしましょう。
もし社内での対応が難しい場合は、専門家に依頼して、アドバイスを受けることが望ましいと言えます。従業員の成果をしっかり評価して、モチベーションを向上させ、「働きがい」のある職場と考えてもらうことが、人手不足問題が深刻化する現代において企業が経営目標を達成していくために必要不可欠な施策の1つと言えるでしょう。

(コンサルタント・中小企業診断士 木下岳之)

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