ネットラジオ『多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所』は、弊社代表の高木と社労士の田村陽太が、飲食店、整体院、美容院等の様々な店舗ビジネスの「多店舗展開」を加速させるために重要な事を対談形式でお話しするラジオ番組です。
第61回『介護事業所を経営しています。のれん分け制度の導入を検討しています。導入にあたり、必要条件があったら教えてください。』というテーマで店舗ビジネス専門コンサルタントの髙木悠が熱く語ります。
【ハイライト】
・介護業界でののれん分けの現状
・「のれん分け」と「フランチャイズ」の違い
・のれん分け制度導入を成功させる為の2つのポイント
・お金儲けだけが目的の会社が失敗する真の理由
・のれん分け制度を導入するべき年間売上の基準は?
・経営理念を理解できている社員の見極め方
・より良い介護事業所を目指すために大事な事
多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所。この番組は株式会社常進パートナーズの提供でお送りいたします。
店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠が最速・最短で年商30億、店舗数30超を実現する実証されたノウハウをコンセプトにのれん分け制度構築、FC本部立ち上げ、立て直し、人事評価制度の整備など飲食店、整体院、美容院などの様々なビジネスの多店舗展開を加速させるために重要なことを対談形式で分かりやすくお話しする番組です。
田村:こんにちは。パーソナリティーの田村陽太です。配信第61回目となりました。本番組のメインパーソナリティーをご紹介します。店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠さんです。よろしくお願いします。
高木:よろしくお願いいたします。
田村:高木さん、今日も頑張っていきましょう。
高木:はい、お願いいたします。
田村:今日は元気ですか?(笑)
高木:もう絶好調ですよ(笑)
田村:いろいろ語っていただきたいと思いますので、お願いしますね。本日の質問はこちらです。「介護事業所を経営しています。のれん分け制度の導入を検討しています。導入にあたり、必要条件があったら教えてください。」ということなのですが、介護事業所でのれん分けとかってあるんですか?
高木:介護事業所はフランチャイズとかも含めて結構あるのですよ。店舗ビジネスの代表格だと思っています。結局スタッフがずっと働いていてもなかなか給料アップと言っても限界があるし、キャリアアップの道もなかなか少ないんで、割とのれん分け制度を導入したいというニーズが多いんですね。
田村:介護事業所の中で結構できる社員に関してはのれん分けをさせて、店舗拡大していくみたいなのが、主流なのですね。
高木:今結構増えてきていると思いますよ。
田村:なるほど。ありがとうございます。必要条件があったら教えてくださいということなのですが、そういう導入にあたりポイントはあるのでしょうか?
高木:のれん分けっていうと、難しく考えられがちなのですよね。
田村:難しそうなイメージありますよ。
高木:多分それはのれん分けとフランチャイズっていうのを、混同しているということですね。フランチャイズっていうと、とにかく大変そうじゃないですか。多分それに引きずられて、のれん分けも大変そうなイメージがあると思うのですよ。
田村:はい。
高木:ただのれん分けとフランチャイズって前提条件がだいぶ違うので、フランチャイズと比べるとそんなにのれん分けは大変じゃないですね。
田村:良ければのれん分けとフランチャイズの違いを簡単に教えてもらえるとありがたいです。
高木:フランチャイズとのれん分けの違いって本当にシンプルに言うと、加盟者の違いです。フランチャイズっていうのは、加盟者が基本的に本部とは関係のない第三者が加盟するんですよね。
田村:はい。
高木:だから、例えば焼肉店のフランチャイズ本部があるとして、そこに加盟したいっていう人は基本的に飲食業でさえ経験したことがないような方が来るのですよ。ノウハウをもらえて、その事業をやって、収入を得るみたいなことが目的なわけじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:のれん分けの場合っていうのは、自社で働いている従業員さんが加盟対象になるのですよね。だから、技術あるじゃないですか。
田村:そうですね。元々働いていましたもんね。
高木:本部との信頼関係とかもあるじゃないですか。だからフランチャイズとは、そこが大きく違うのですよ。大した違いじゃないようにもしかしたら聞こえるかもしれないですけど、めちゃくちゃ大きな違いです。
田村:なるほど。
高木:例えば、今田村さんが社労士事業をやっているわけじゃないですか。誰かが田村さんの事業を僕にもやらしてくれって言ってくるわけですよ。その時に全然知らない人が急に来て、「いやあ、ちょっと田村さんの事業、僕いいなと思ったので、ちょっと名前を貸してもらっていいですか?」なんて言われても警戒しますよね。
田村:警戒するし、社労士法違反ですね(笑)
高木:そうなんですか(笑)仮にそれができるとしても、結構警戒すると思うんですよ。それは相手のことが信頼できるかどうかも知らないし、逆にその人を仮に入れられたとしても、そもそも田村さんの要求水準までちゃんと教育しなきゃいけないじゃないですか。
田村:そうですよね。
高木:だからそこでやっぱりハードルが上がってくるわけですよ。でものれん分けの場合、田村さんの教えを受けている人がやりたいというわけですから、任せられるじゃないですか。
田村;確かにそうですね。
高木:だから、例えばフランチャイズの場合は、素人でもある程度の期間で短い期間で一人前にならなければ駄目だとか、そういう条件が必要ですよね。だけどのれん分けの場合っていうのはもう一人前なのだから、必要条件というのは私個人的に二つしかないと思っています。
田村:はい、お願いします。
高木:まずフランチャイズ本部が展開している事業が、独立者に利益を分け与えられる程度に儲かっているかどうか。というのは、従業員さんが独立する訳じゃないですか。自分の収入が独立して増えないと、やる人いないですよね。
田村:そうですね。雇用じゃなくてやっぱり事業主としてやりますからリスクもありますしね。
高木:じゃないですか。だから本部が出している利益の中から一部を分け与えるわけですね。それができる程度にまず利益がありますかってことですよ。逆に言うと本部がトントンの状態だとしたら利益を分けられないじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:これだとのれん分けはちょっと難しいっていう話ですね。
田村:なるほど。もう1個は何でしょうか?
高木:あともう1個は、フランチャイズをやりたいという事は、本部の理念とかビジョンとか経営方針とかっていうのはあると思うのですよ。これをちゃんと共有できるような人材が育てられるかどうかですね。こっちの方が重要度高いかなという感じを私はしていますけどね。
田村:経営理念が浸透している従業員さんというのは、介護事業所の何が大事なのかとか、どういう風にして利用者と接しなきゃいけないかとか、そういうところの理念を共有しているかとかそういうことですか。
高木:そういうことですね。本部が大切にしていることとか、本部の方針っていうのがあるわけじゃないですか。本部の名前を貸して事業をやってもらうのに、利益が出れば何でもいいって言って好き勝手やったとしたら、同じブランドを使っているのにこっちの店ではこういうやつで、あっちの店はこうやってるみたいなことになっちゃうじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:これは最悪なパターンですよね。最悪のパターンなので、儲かればいいって話じゃなくて、基本的に事業って、「儲かるか儲からないかだけでやるもんじゃない」と思うのですよ。というか儲かるか儲からないかだけでやったら、大体の事業はうまくいかないと思っています。
田村:はい。
高木:そこにもう一つ、何でそれをやるのかとか、その事業を通じてどんなことを実現したいかみたいな、「想い」みたいなものってあるじゃないですか。大体ビジネスモデルと想いがあって事業はうまくいくと思うのですよ。
田村:はい。
高木:何かフランチャイズとかのれん分けっていうと、その想いの部分がやや軽視されているというか、儲かるか儲からないかだけに目が行きがちじゃないですか。
田村:そうですね、確かに。店舗展開していく上ではやっぱりお金や売上を上げていきたいっていうところが、やっぱり一つの動機ではありますからね。
高木:そうそう。それは大事なのですよ。だから二つの柱の1本ではあるんですよ。だけど田村さんなんかも創業者の支援とかもやると思うので感じられていると思うんですけど、儲かるか儲からないかだけで始めた事業って、「儲からなかったらすぐやめません?」っていう話ですよね。
田村:めちゃくちゃありますね。時流に乗っているというか、何かそういうブームに乗ってる方は続かないというか、信念がある方の方がやっぱりコツコツと行くようなイメージはありますね。
高木:なんか私も最近気がついたのですが、本を出しているような有名な経営者さんとか成功者の経営者さんの本を読むじゃないですか。それで大体最初の方って失敗しているのですよ。大体痛い目に遭っているんですけど、それを乗り越えてきているんですよ。
田村:はい。
高木:というパターンが結構あることに気がついたんですよ。これに当てはめると、そういう人たちって儲かるか儲からないかで当然重視しているんでしょうけど、それだけで始めてないんですよね。
田村:はい。
高木:初期段階で儲からないのだけど、それを諦めずにやり続けて儲かるところに持っていっているわけじゃないですか。これはだから結構いいパターンで、田村さんがさっきおっしゃっていたような、時流に乗ろうとしている人とかっていうのは、最初やって儲からなかったらやめちゃうと思うんですよね。だから続かないわけじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:これはのれん分けも一緒ですよねって話ですよね。儲かるか儲からないかは大事なんですけど、事業っていうのはそこだけじゃないっていうことですね。
田村:ありがとうございます。ちょっと1個質問したいんですけども、最初のお話で、売上の原資がちゃんとあるのかっていうところがあったと思うんですよ。のれん分けした方に対して売上がなくなる分、事業がちゃんとペイできるのかっていうところがあると思うんですけど、大体売上どれぐらいいったら、のれん分けできるっていうような見分け方みたいな基準とかってあるんですか。
高木:これ結構難しくて、業種業態とかもしくは会社で働いている従業員さんの特性によっても結構違うっていうのが私の経験で判明しております。例えば、今私が支援している地方の美容院みたいなところの話です。
田村;はい。
高木:雇用しているスタッフも新卒のスタッフとかではなくて、もう子育てが終わって仕事に復帰したような方、パートで雇っているような会社があるんですよ。
田村:はい。
高木:そういう会社はもう独立する人の年収が400万でも500万でも行けば、もうのれん分けやってくれますよという会社もあるんですよね。
田村:そうなんですか。
高木:だけど、もう既に結構高い給料をもらっていて、「いやあ、もう独立させる以上は1000万ぐらい取れないと独立するって言わないでしょうね。」みたいな会社もあります。
これは会社によっても業界によってもだいぶ違うので、自社の従業員さんを少し想定してもらって、大体どれぐらいの年収が得られたら独立してくれそうだなっていうのが経営者はわかると思うんですよ。
田村:なるほど。
高木:例えば今年収500万をもらっているとするじゃないですか。その人が年収700万になるって言ったら独立するかもしれないと思ったら、差額200万ですよね。その200万を増やしてあげられる程度に本部儲かっていますかってことですね。
田村:なるほど。
高木:これが条件になります。では100万円ぐらいしか本部の利益が出ていなかったら100万円全部あげたって給料500万円と合わしたって相手の年収は600万円にしかならないじゃないですか。これじゃ難しいですね。これが分け与えられるかどうかっていう判断基準ですね。
田村:なるほど。ありがとうございます。もう1個質問なんですけど、先ほど経営理念の話があったと思うんですよ。従業員さんがのれん分けする際に経営理念が共有できているところの大事って話があったと思うんですけど、そこら辺っていうのは見極め方ってあるんですか?「経営理念、私は共有してます!」というのはそりゃどの従業員も言うと思うんですよ。経営理念を共有しているっていうところのポイント、見極め、判断基準はあるのでしょうか?
高木:これができていたら共有できているっていうような、「絶対的な解」というのはないですよね。でも一緒に日々仕事をしている中で、要はその経営者が大切にしていることとか、今後こういう風に進んでいこうって思っていることってあるじゃないですか。
田村:はい。
高木:それを日々ちゃんと実践できているかどうかってことですよね。それこそそこに対して要は疑問を感じるような人っていうのはやっぱり要注意だっていうことですよね。
田村:なるほど。ちゃんと仕事やったことに対してやってくれないとか、日頃のコミュニケーションで、「おや?」って思うところはちょっと怪しいなっていう風に思った方がいいという事ですね。
高木:そうそう。結局理念の共有とかビジョンの共有っていうのも、終わりがないじゃないですか。だから、まずそこをちゃんと重視することが大事です。先ほど経営理念を共有できた人材を育てるっていうことをお伝えしましたけど、そこに対してちゃんと手間と時間をかけて、今後も取り組み続けていく覚悟があるかどうかっていう風に捉えてもらってもいいかなと思いますね。
田村:なるほど。それはどういうことでしょうか?
高木:つまり面倒くさいと思うんですよ。のれん分けしてそこで終わりじゃないじゃないですか。そこまでいい関係が出来たとしても、人間関係って時間の流れとともに変わっていくことが前提じゃないですか。
田村:そうですね。
高木:その関係を維持しようと思ったら定期的に接触して、経営者の考え方とかをちゃんと共有して、ぶれないようにしていかなきゃいけないですね。もしくは後から問題が発覚したらそれを正しくしていかなきゃいけないじゃないですか。
田村:はい。
高木:これって結構面倒くさいですよね。会社の外の人に対してそういうことやってかなきゃいけないわけですから。私達もサポートしている中で、例えば面談とかコミットするのもちょっと大変だから、そういうのはちょっと契約書に入れないでおくみたいな経営者っているんですよ。
田村:はい。
高木:そういう姿勢だと多分うまくいかないと思うんですよね。そこはもう定期的に会わないと、それでロイヤリティとか払うのは田村さんだってばかばかしくなりますよね(笑)
田村:確かにそうですね(笑)
高木:結局相手がこの人についていきたいとかこの人を信頼できると思った状態を維持していかないと、うまくいかないじゃないですか。だからそこは、要は独立した後も関係作っていかなきゃいけないので、そういう意味で言うと、理念の共有・ビジョンの共有に対して、相応の手間と時間をかけて取り組めますかっていう事に自信を持って「はい!」って言えるのだったら、それはOKじゃないですか。
田村:そうですね。そこら辺が経営者としてちゃんと任せられるってところが信じられれば、そういう形で選んでいくというのは大事ですね。はい、ありがとうございます。最後にもう時間が近づいてきたので質問したいんですけれども、介護事業所を経営されていてのれん分け制度を導入したいっていう方の話を今までしていたと思うんですけども、高木さんが考える、今介護事業所やっている会社さんが、このご時世でより高みを目指せられるような、ワンポイントアドバイスやのれん分けをやっていく上でのポイント・アドバイスみたいな所を、経営理念とか以外にも何かあれば教えていただきたいです。
高木:介護事業って私個人的には社会的な意義がある仕事だと思うのですよ。なきゃ困るじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:今はサービスを利用されている方ってすごく感謝されている事業だと思うんですよね。一方で従業員さんのモチベーションとかっていうのがどうなっているのか、私は結構そこにギャップがあるケースも少なくないんじゃないかなと思うんですよ。
田村:はい。
高木:どんなにやっている仕事の社会的意義があったとしても、従業員さん自身が自分の人生が日々良くなっていっているという実感がないと、もしくは今後頑張っていったらこんなに良くなるみたいなんか見通せないとのモチベーションって維持できないと思うんですよ。
田村:そうですよね。
高木:でもそうなると結局社会的意義があるのにサービスの品質が低下していたら、これってすごく良くないじゃないですか。だからぜひこの介護事業所を営んでいる経営者の方々は、従業員さんのやっぱり明るい未来を考えてほしいのですよ。のれん分けも多分その一つだと思うんですよ。のれん分け以外にもいろいろあると思いますしね。会社内に例えば人事制度みたいなものをちゃんと用意して、日々従業員さんが一歩一歩進んでいって、それに一歩一歩進むと同時に給与も少しずつ反映していくとか、そういう仕組みを整えるとかですね。
田村:はい。
高木:従業員さんが自分の人生が良くなるって実感できるような道のりを整備するってことが重要なんじゃないかなと私個人的には思います。
田村:わかりました。ありがとうございます。本日は、介護事業所がのれん分け制度を導入する際のポイントについてお話いただきました。今日はありがとうございました。
高木:ありがとうございました。
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