ネットラジオ『多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所』は、弊社代表の高木と社労士の田村陽太が、飲食店、整体院、美容院等の様々な店舗ビジネスの「多店舗展開」を加速させるために重要な事を対談形式でお話しするラジオ番組です。
第51回『整骨院を経営しています。本部が加盟店の運営を代行する形でフランチャイズ展開を進めていきたいと考えています。どのような点に注意すべきですか。』というテーマで店舗ビジネス専門コンサルタントの髙木悠が熱く語ります。
【ハイライト】
・運営代行型のフランチャイズシステムとは?
・美容業や整骨院等の資格業で運営委託型FCが流行している理由
・運営代行型FCを進めていく上での注意点とリスク
・運営委託型FC加盟者を募集する際のポイント
・本部と加盟者が良好な関係で運営代行型FCの契約が出来る方法とは?
・良い運営委託型FC本部を見極めるポイント
多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所。この番組は株式会社常進パートナーズの提供でお送りいたします。
店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠が最速・最短で年商30億、店舗数30超を実現する実証されたノウハウをコンセプトにのれん分け制度構築、FC本部立ち上げ、立て直し、人事評価制度の整備など飲食店、整体院、美容院などの様々なビジネスの多店舗展開を加速させるために重要なことを対談形式で分かりやすくお話しする番組です。
田村:こんにちは。パーソナリティーの田村陽太です。配信第51回目となりました。本番組のメインパーソナリティーをご紹介します。店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠さんです。よろしくお願いします。
高木:よろしくお願いいたします。
田村:高木さん、今日も頑張っていきましょう。
高木:はい。お願いします。
田村:本日のテーマはこちらとなっております。「整骨院を経営しています。本部が加盟店の運営を代行する形でフランチャイズ展開を進めていきたいと考えています。どのような点に注意すべきですか?」ということです。
高木:はい。
田村:運営を代行する形と言われていますけども、これはどういうことなのでしょうか?
高木:これはまず、運営代行型のフランチャイズっていうのがあるのですよ。これの意味をまず理解する必要がありますよね。
田村:ちょっと教えてもらいたいですね。
高木:普通のフランチャイズっていうのは、加盟者が店舗の投資をして作るじゃないですか。そしてそこに本部のノウハウとかブランドとかを使用して、店舗を経営する仕組みなんですよね。
田村:はい。
高木:だけど運営代行型フランチャイズシステムっていうのはどういうものなのかっていうと、店舗を作るものっていうのは従来通りで、加盟店が作るんですよね。だけど違うのは、作った店舗を運営するのが、全部本部がやるっていうモデルです。言ってみれば、加盟者は投資家みたいなものなんですよ。
田村:そんな感じですね。
高木:店舗作って、箱用意したから、本部が経営してうまくやってよと。そして出た利益は折半しましょうみたいな、そんなシステムですよ。
田村:なんか不動産の家賃収入のシステムと似てますね。オーナーさんに家買ってもらって、その分、入居者を募集するのは不動産会社がやるみたいな感じにちょっと似てますね。
高木:だから投資型のフランチャイズって言ってもいいかもしれないですよね。
田村:結構増えてるんですね、こういう運営代行型っていうのが。
高木:そんなに主流な話ではないんですけどね。今回の質問は整骨院ですよね。整骨院とか、他には、美容系、例えば美容院とかまつげエクステサロンとか、そういうところで用いられているケースっていうのが多いのですよ。
田村:そうなんですか。整骨院とか美容系で運営代行システムが多いのは何でなんですか。
高木:これは、例えば、田村さんが整骨院を運営しようとするじゃないですか。整骨院って、資格を持っている人がそこにいないと、お店の経営が持続できないのですよ。田村さんは整骨院の資格を持ってないわけじゃないですか。
田村:はい。
高木:だから整骨院の柔道整復師の資格を持ってる人を雇用して、店舗経営していかなきゃいけないわけですよ。
田村:そうですね。
高木:でも辞めたらどうするみたいな話ってあるじゃないですか。美容業も一緒ですね。美容師資格が必要で、だけど資格がある人がいなくなっちゃったら、経営を継続できないじゃないですか。
田村:できないですね。存続できないですね。
高木:それって自分が資格持ったらいいんですけど、加盟する側から見たら、加盟者は資格持ってなかったらめちゃくちゃリスクじゃないですか。
田村:なるほど。
高木:その点、本部は既に店舗をいっぱい展開しているわけじゃないですか。そういう有資格者をたくさん確保しているわけですよね。だから本部が経営してくれたら、人が辞めちゃったとしても、補充とかがしやすいわけですよね。
田村:確かにそうですね。
高木:だから、運営していくときの特に人材面での悩みが多いような業種っていうのは、そこがリスクになって加盟者が一歩踏み出しにくいんで、そこの負担を軽減するためにこの運営代行型のフランチャイズシステムっていうのが用いられるんですよ。
田村:なるほど。業界的にそういう資格を使わないといけないビジネスには結構向いているシステムなのですね。
高木:加盟者が一歩入りやすいですよね。負担が軽減されるって意味でメリットが大きいんじゃないですかね。
田村:なるほど。結構これ聞いているとメリットが多いのかなと思ったのですけども、注意点という風に言われてますけど、どんなところに注意したらいいのでしょうか?
高木:いや、ですからこれは結構気をつけなければいけない点があるんですよ。
田村:そうなんですか。ちょっと教えてもらっていいですか。
高木:これも田村さんが加盟したっていうケースで考えてみましょうよ。田村さんが運営代行型フランチャイズシステムに加盟して、店舗に投資して、本部に経営を任すじゃないですか。
田村:はい。
高木:順調に経営を運営してくれて、お店の利益が上がっていたとしたら、何の問題もないですよね。
田村:そうですね。
高木:田村さんは最初投資して後はあんまり関与しなくても、その中の利益が一定割合戻ってきます。当然自分でやるケースに比べるとリスクが少ないと思うんですけど、その分手間が掛からないから、こんないいことないじゃないですか。
田村:不労収入じゃないですか。本当に経営者みたいな。
高木:そうそう。めちゃくちゃいいでしょ?(笑)
田村:めっちゃいいです(笑)
高木:それはでも表から見たらそうなのですけど、利益出てなかったらどうしますかってことなんですよ。運営しているのは本部なんですよ。だけど田村さんはオーナーだから、そこの利益責任っていうのは一定程度負っているわけですよね。
田村:はい。
高木:でも多分赤字になったとすると本部はロイヤリティを少し減らしてくれると思うんですよ。だけど、損失を全部補填するなんてことはしないはずなんですよね。だからそれをしてたら、本部がリスク大きすぎて事業が成り立たなくなっていくと思うんですよね。
田村:そうですね。
高木:田村さんが赤字の状態を垂れ流したくないと思うじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:だけど、運営しているのは本部なわけですよ。だから、田村さんが「ちょっと売り上げが厳しいから、頑張って売上上げよう!」みたいな所に入り込みにくいですよね。
田村:確かに何も手助けできないというか、もう見ているしかないですもんね。
高木:そうなんですよ。ここが最大のリスクで、さあ、加盟者はもう丸投げしてるから、ほっといて本部が利益を出してくれたら、みんなハッピーだけど、そこで利益が出なかったとしたら、田村さんは損失を受けるし、売り上げをコントロールしようと思っても、それはもう本部次第になっちゃうから、ここに対してコントロールができないわけですよ。
田村:確かにそれは怖いですね。
高木:そういう状況になるじゃないですか。田村さん、誰に怒ります?
田村:いや、それはもちろん本部ですよ。いや、何運営しちゃってるんだよみたいな(笑)契約違うじゃねえかっつって(笑)
高木:契約とは違わないんですけど、利益が出てない責任はかなり本部にありそうですよね。
田村:いや、それはそうですよ。何しちゃってんの?みたいになりますよね(笑)
高木:そう(笑)だからそういう状況になると加盟者は怒るわけですよ。本部が責められるわけですよ。だって本部は自分が運営していて利益が出せてないわけですから。つまり自分のブランドじゃないですか。それは本部の責任大きいですよねって加盟者から言われたら否定できないですよね。
田村:はい。
高木:そこが本部側にとってのやっぱりリスクですよね。
田村:なるほど。本部の方で一度運営代行システムっていうのを広げていっちゃったら、途中で普通のフランチャイズに戻るという事みたいなのはできないんですか?みんな運営代行を進めていくものなんですか、本部っていうのは。
高木:いや、加盟者が自分でもやるよってなって運営を切り替えてくれるんだったら、できるのだと思うんですけど。入り口で本部に全て任せられるからやりませんかって提案を受けて、途中で切り替える人っていないですよね。
田村:確かに。1から自分で雇用するよみたいな人ってことですよね。
高木:そういう人って初めから運営代行型のフランチャイズシステムを選ばないと思うんですよ。
田村:確かにそうかもしれないですね。
高木:だから運営型のフランチャイズシステムって、上手くいってる限りにおいてはみんなハッピーなんですよ。だけど、店舗が赤字になった途端に、もう絶対本部と加盟者で対立が生じるのは避けられない仕組みですよね。避けられるとしたら、本部が赤字の補填をするしかないと思うんですよ。そしたらフランチャイズで展開するメリットって本部はほとんどないんですよね。そこが結構デメリットですね。
田村:確かにそうですね。なるほど。ちょっと1個質問したいんですけど、例えば運営代行システムに加盟したいっていう加盟者がいるとするじゃないですか。先ほど高木さんがご説明いただきましたけど、結構最初のハードルは低いじゃないですか。
高木:はい。
田村:運営する必要もないし実務する必要もないし、結構簡単に加盟したいと思うと思うんですけど、あとあと考えてみたら、売り上げが上がらなかったら自分たちの利益にならないって言って、加盟者が結構怒ったりするじゃないですか。
高木:はい。
田村:その中での営業方法っていうんですかね。最初の入り口はハードル低いから入りやすいけども、こういうリスクがあると最後の出口戦略みたいところって結構難しいじゃないですか。加盟者に対する営業をどうやってしていったらいいのかという、つまりどこら辺に注意したいんでしょうか。
高木:ですからリスクがちゃんとありますよっていうことをどれだけ丁寧に説明するかってことなんじゃないですか。
田村:なるほど。といいますと?
高木:だからまさに今の話ですよね。運営代行型フランチャイズシステムでもう典型的に良くないケースっていうのは、表の側面だけ見せることですよ。つまり加盟者は投資をしてくれさえすれば、本部が後は一切面倒見ますということです。これは実際営業資料とかでもそういう風に書いてある本もあるんですよ。
田村:そうなんですか。
高木:「オーナーは月に1回ぐらい報告を受ける時間を用意していただければ大丈夫です」というような感じです。
田村:めっちゃ美味しそうなビジネスですね。
高木:そう。「それであとはもう全部本部がやります。これぐらいの売り上げになったら、ただオーナーにはこれぐらいの利益が残ります。」という感じで、どれぐらいで回収できますっていう資料になっているわけですよ。
田村:はい。
高木:それは別に嘘じゃないんですよね。うまくいったらそうなんですよ。めちゃくちゃいいじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:だけど、そうならなかったときはこういうことになりますよっていう話もあるわけじゃないですか、その裏には。そこには明らかに本部と加盟者が対立する問題って潜んでいるわけですね。
田村:はい。
高木:だからそれを隠してやってしまうと、後々絶対問題になりますよね、その状況になったら。だから嫌な事こそ、まずはちゃんと説明するべきだと僕は思うんですよ。
田村:営業する際にはちゃんと悪い面もちゃんとしっかり見せるという事ですね。
高木:そうですね。加盟者もそこって聞くべきだと思うんですよ。そこってどうなるんですかっていうところをお話して、だから本部は説明責任をしっかりと果たすっていうところに義務があると思いますし、これは加盟者側にもやんなきゃいけないことがあると思っています。
田村:はい。
高木:そういうリスクのある仕組みなんだっていうことをちゃんと理解していただいたら、自分がどういう基準で本部を選ばなきゃいけないかって多分見えてくると思うんですよ。もう少し具体的に言うと、本部に加盟者は任せるわけですから、もう自分でお店のマネジメントっていうのは基本的にはできないわけじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:だからどんな人に任せますかって話なわけですよ。
田村:確かにそれしかないですもんね。
高木:そう。それはもうしっかり運営してくれそうだなと、誠意を持ってやってくれそうだなというような本部じゃないと、僕だったら任せられないですよ。
田村:確かにそうですね。
高木:じゃないとそのスキームに乗れないじゃないですか、よっぽど信用できないと。だからそういう本部ですかっていうところをちゃんと見極めて欲しいんですよね。
田村:なるほど、ありがとうございます。ちょっと時間も近づいてきたんですけども、高木さんが最後おっしゃっていた、運営代行システムをやっていくFC本部の一番いい見極め方、こういうFC本部だったら任せられるんじゃないかみたいな決め手みたいところがあれば教えていただきたいと思います。
高木:運営代行型に限らないんですけど、私はフランチャイズ本部ってあんまり「儲かりますよ、やりませんか?」って言わない方がいいと思っているんですよ。
田村:なるほど。といいますと?
高木:ていうのは、事業って、田村さんもコンサルをやってるからわかると思うんですけど、事業に必要なポイントって確かに利益が出るビジネスモデルって必要なんですけど、100%利益が出せるビジネスモデルってないと思うんですよ。
田村:はい。
高木:5年10年と経営続けていたら、利益が出ないときって出るじゃないですか。よくあるパターンは、儲かるためだけに事業を始めて、儲からないからやめます、これは事業の失敗パターンじゃないですか。
田村:はい。
高木:フランチャイズ本部が儲かりますよって言って加盟者を獲得したら、儲からなかったら、もめて辞めるのですよ。だからそうならないようにするためには、そもそもその事業をやりたいと思いますかっていう話がないと駄目じゃないですか。
田村:そうですね。
高木:仮に儲からなかったとしても、儲かるまで頑張れますかっていう話なわけですよ。だから私はそういうところ、つまり私達のフランチャイズ事業は、世の中にこんな価値を提供していきたい、加盟者にこういう風になってもらいたいとか、そういう思いがちゃんと先行して説明があって、そこでちゃんと加盟者と共有されてから興味を持ってくださった方に、収益がこんな感じなんですよって提示してくるような本部が信頼できる本部だと思ってます。
田村:確かにFC本部がこうしていきたいっていう強い思いが、今後も長期的にビジネスに繋がるんだなっていう結構信頼にやっぱり繋がりますもんね。
高木:そうなんですよ。だから運営代行型に絞って気をつけるべき事というと、「もう本部に任してくれれば、もう何もしなくてもある程度利益も入りますから」みたいな営業されるんだったら、そこはやめた方がいいと思うんですよ。
田村:確かにそうですね。わかりました。ありがとうございます。本日は運営代行システムをやる本部の注意点についてお話をいただきました。本日はありがとうございました。
高木:ありがとうございました。
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