多店舗展開

【ネットラジオ】第33回『洋食店を経営しています。このたび人事評価制度づくりが完了し、これから運用を開始する予定です。運用のポイントを教えてください。』

ネットラジオ『多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所』は、弊社代表の高木と社労士の田村陽太が、飲食店、整体院、美容院等の様々な店舗ビジネスの「多店舗展開」を加速させるために重要な事を対談形式でお話しするラジオ番組です。

第33回『洋食店を経営しています。このたび人事評価制度づくりが完了し、これから運用を開始する予定です。運用のポイントを教えてください。』というテーマで店舗ビジネス専門コンサルタントの髙木悠が熱く語ります。

【ハイライト】

・人事評価制度の失敗あるある

・制度運用のポイント

・考課者と社員の認識のミスマッチを防ぐ為には?

・部下をしっかりと査定できる評価者を育成するポイント

・評価期間の社員への伝え方

・社員と管理者の目線の違い


多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所。この番組は株式会社常進パートナーズの提供でお送りいたします。

店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠が最速・最短で年商30億、店舗数30超を実現する実証されたノウハウをコンセプトにのれん分け制度構築、FC本部立ち上げ、立て直し、人事評価制度の整備など飲食店、整体院、美容院などの様々なビジネスの多店舗展開を加速させるために重要なことを対談形式で分かりやすくお話しする番組です。

田村:こんにちは。パーソナリティーの田村陽太です。配信第33回目となりました。本番組のメインパーソナリティーをご紹介します。店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠さんです。よろしくお願いします。

高木:よろしくお願いします。

田村:高木さん、今日もやっていきましょう。

高木:はい、お願いします。

田村:今日も質問きてますので、こちらから読ませていただきたいと思います。「洋食店を経営しています。このたび、人事評価制度作りが完了し、これから運用を開始する予定です。
運用のポイントを教えてください。」ということなんですけども、洋食店経営というとオムライスとかハンバーグとかそっち系でしょうか。人事評価制度作りが完了し、その運用のポイントということでの質問ですね。

高木:なるほど。人事評価制度は、制度作りも結構重要なんですけど、これよく言うんですけど、どうやってこれを運用していくかっていう方が、その倍以上は大切です。人事評価制度に限らないんでしょうけど、どんな仕組みも結局ただ作るだけじゃ意味がなくて、やっぱりきっちり運用していくっていうところが非常に重要です。

田村:はい。

高木:運用のポイントはたくさんあるんですけど、やっぱり私が大切だなって思うのは、具体的な事実に基づいて評価をしてあげるっていうことです。結局評価制度を運用していて、従業員さんが評価を受けて、「また頑張ろう」とかモチベーションが上がるっていうことが目的だったりするわけじゃないですか。
田村:そうですね。

高木:そのときに、結局その評価が社長のフィーリングでなされてるとか、結局評価制度を作った意味がないじゃないですか。だからなんとなくあいつ頑張ってるなとか、頑張ってないなとかで評価されたら、結局評価制度がないのと同じなんですよね。

田村:はい。

高木:だから評価制度を作ったからには、いろんな評価項目があると思うんですよね。だからそれをフィーリングで評価するんじゃなくて、「いやこの人はあの時にこういう行動をしてたから、こういう評価なんだ。」っていうように、それをよく「具体的な事実に基づいて評価する」っていうんですけど、ちゃんとその事実を捉えて評価をしてあげる。これは結構重要かなと思うんですね。

田村:なるほど。それは日々のオペレーションで従業員さんがやってきたことっていうのを経営者が思い出しながら、「あれが良かったから、この評価に繋がってる」っていうのを説明していくみたいな感じですか?

高木:そうそう。例えば評価制度を運用していくっていう時に、会社によって評価の期間ってまちまちだと思うんですけど、一般的には半年に1回とか1年に1回とかじゃないですか。例えば仮に半年に1回だとします。今は7月じゃないですか。そうすると半年前って言ったら1月なわけですよ。1月2月の話って覚えてますかって言ったら、覚えてなくないですか?(笑)

田村:そうですね(笑)あの時は忙しかったなみたいなぐらいですね(笑)

高木:そうそう。そのときに、誰々さんがどんなことをしてたとかって覚えてないわけですよ。思い出してとかをやってると、経営者のフィーリングに近くなるじゃないですか。だから重要なことは例えば評価期間が半年だったら、半年間の間、いつ、どういったことがあったのかっていうのを見つけたときに記録をしておいて、そういったのを半年間ためていって、その評価のタイミングでそれをしっかり振り返って、1月のこの時にこういうことがあったねと、この子は頑張っているなと、そういう評価の仕方をしてあげて欲しいという事です。

田村:なるほど。高木さんがおっしゃってた「評価をためていく」っていうのはどういうことですか?評価する時期は決まってるけど、評価をためてくっていうのは都度そのとき良かったことを書き留めていくってことですか。

高木。そうそう。だから評価項目って決まってるわけじゃないですか。例えば「会社のために一生懸命頑張ってる」みたいな評価項目があるとするじゃないですか。そしたら、それに該当しそうな行動ですよね。1月に会社から何も言われてないのに、会社を良くするためにこういう提案をしてきたとか、そういったことがあったらちゃんとそれをノートとかに記録しておくわけですね。

田村:はい。

高木:評価する人は、それをちゃんと貯めていく。そしたら評価するタイミングで過去のノートを振り返るわけですよ。あの子はこういうことしたなっていうのを書いておけば思い出すじゃないですか、1月の話でもね。

田村:はい。

高木:ちゃんと事実を記録しておいて、それに基づいて評価をしてあげて、従業員さんに当然その評価をしたら、「あなたはこういう評価結果でしたよ」って、見せるじゃないですか。そのときにもちゃんと言ってあげなければいけないですよね。「あなたはこの時にこういうことをしました」と。他にも多分何個かあるんでしょうけど、だから今回はこういう評価にしましたよっていう話です。特に良い評価と悪い評価をつけた場合っていうのは、やっぱりそれをちゃんと説明できるかどうかっていうのが鍵ですよね。

田村:なるほど。1個質問したいんですけど、この洋食店っていうと、僕がイメージしてる職種というとコックさんとか作る方、接客する方、こんな感じで分かれると思うんですけど、もう四六時中評価する方ってずっといるわけじゃないので、本当はこの場面を評価してもらいたいけど、社長さんとか人事評価をする方は、このエピソードのことを覚えてくれてて評価してしまったというように、従業員さんとその人事評価者のミスマッチみたいのもあると思うんですよ。

高木:はい。

田村:そこら辺ってどうやって埋め合わせていくもんなんですか?運用していくときに、何かポイントはあるんですか。

高木:最初の段階で、従業員さんによって従業員さんのレベルとかもあるじゃないですか。入社したばっかりの人と、入社してから3年経ってる人とかでは、今求められるものとかも違うじゃないですか。評価制度は当然そういう風に経験によって求められているもの、また評価の内容も変わってくるような評価制度になってるんだと思うんです。

田村:はい。

高木:まずそれをそれぞれ確認しますよね。「あなたはこういうことが求められてるんですよ」っていう説明をちゃんとするじゃないですか。社長が評価するんじゃなくて、当然それを評価する側、各店舗の店長が評価するってなると、店長にも社長はそれを伝えなきゃいけないですよね。

田村:そうですね。

高木:当然ずっと見てるってことはできないんですけど、実際にその店長が同じお店で働いてれば、それなりに見られるわけじゃないですか。それでそれぞれの従業員さんに期待する役割に基づいて、行動の良い所とか悪い所をメモしていくわけですよね。

田村:はい。

高木:それで、半年間終わりました。そしたら各店長が自分の店舗で働く人を評価するわけじゃないですか。そうするとまずは具体的な事実に基づいた評価になってきますね。で、問題は、田村さんから質問があったのは、各店舗の店長とかによって判断基準が違うんじゃないのっていう話ですよね。

田村:そういうことです。

高木:それはもう絶対そうなんですよ。よくその時、評価基準を合わせるために、あらかじめ評価する人、よく考課者とかって言いますけど、考課者の目線合わせするために研修しましょうってよくやるんですけど、私はそういうのをやるよりも、全部評価が終わったら、評価した人たちを全員集めて、当然そこに社長も来てそこで会議をする。そのときに各評価者が、それぞれ自分の部下を評価するわけじゃないですか。

田村:そうですね。

高木:何でその評価にしたのかっていうのをそれぞれ発表してもらうんですよね。「この子はこういう評価項目があるけど、これは~~〇〇の理由で評価しました。」と。そこはもう具体的な事実が整理されてるはずですから、そういう話が出るわけじゃないですか。そのときに、それをずっと他の考課者も聞いてるわけですよね。

田村:はい。

高木:そうすると、そこで違いがわかってくるわけですよ。「それは、いや、あなたはいいように言ってるけど、それは普通じゃないですか?」みたいな話が出てくるわけですよ。
これが目線の違いじゃないですか。そうやって意見をぶつけ合うわけですよ。それで、当然その目線が違うんで、意見はまとまらないんですけど、そこで社長が決裁するんですよね。

田村:はい。

高木:この項目については、そういう項目・行動を良しとしようとかね。そうやって目線を合わしていく感じが早いんじゃないんですかね。

田村:お互いに評価のポイントがわかるから、自分自身も今後評価するときのブラッシュアップになっていきますもんね。

高木:そうそう。それでちゃんとみんなの前で言ったら、自分の目線と違うっていうのがやっぱり絶対わかるじゃないですか。自分の目線と違かったらちゃんとそれはみんなと意見を出してそこで目線合わせをして、補正していくような感じですね。

田村:とてもいいことを聞きました。もう1個質問していいですか。僕も高木さんも経験あると思うんですけど、やっぱり試験のときって頑張るじゃないですか。試験前って、めちゃめちゃ頑張ると思うんですよ。実際働いてても評価されるっていう風にわかってたら、アルバイトの人も正社員もやっぱり頑張ると思うんですよ。それって、あらかじめ従業員さんに評価はこのときにしますよって伝えておくべきなのか。もういつ評価されるかわかりませんが、この期間にそういう評価するポイントを作りますよみたいな感じで、何も伝えずにやるのはどっちがいいんですか。

高木:それはもう当然言った方がいいですよね。重要なのは、テストと評価で違うのっていうのは、テストっていうのは例えば7月にやるって言ったら、その7月の前、ちょっと前から頑張ればいい点取れるじゃないですか。

田村;はい。

高木:だけど評価はさっきお話したようなやり方をしてると、具体的に言うと1月とか2月の段階の行動を、ちゃんとその評価指標に基づいて行動を評価する人が記録しておくので、評価前にめちゃくちゃ頑張ったら評価が上がるとかってないわけですよね。結局最後の方頑張っていても最初の方駄目だったら評価が上がらないわけじゃないですか。

田村:そうですね。

高木:だから具体的な事実を常に記録することが重要なんですよね。

田村:なるほど。評価前だけ頑張るんじゃなくて恒常的に頑張ってくれるのかみたいなところですね。

高木:私がおすすめしてるのは、例えば1月から6月までの評価を7月にしますということをちゃんと従業員さんに共有して、その評価っていうのは当然日々皆さんのことを見て、評価に関連する事っていうのはこっちでちゃんとメモしてますと伝える事です。そういう話をして、かつ毎月ちゃんとそれをフィードバックしていく。例えば1月終わったら2月の頭ぐらいに、個人面談とかして、1ヶ月間の状況を「こういう行動があって、これはよかったね。だけどこういう行動がちょっと足りなくて、だから次からこう頑張っていったらいいんじゃない?」みたいな話を毎月していけたらいいですよね。

田村:そっちの方が忘れないですもんね。このときにどんな評価したのかなっていうのを振り返れますもんね、評価期間中に。

高木:そうそう。そうすると、各店舗の店長というのもそういうのをやらなければいけなかったら、全くメモとかしてませんでしたみたいなことは起きないじゃないですか。最悪なのはもうそこの記録がないみたいに、評価のしようがないみたいな状況になる事ですよね。

田村:はい。

高木:そういうのを予防するためでもありますし、やっぱり店舗ビジネスって店舗責任者とか、店舗が少ない場合は経営者ですが、月1回ぐらいはやっぱり店舗のスタッフ全員と面談ぐらいしないと、いい店作れるわけないんですよね。

田村:この前の収録でもおっしゃってましたもんね。やっぱ振り返りの時間は大事だよってね。

高木:そうなんですよ。私もスタッフから言われたことがあるんですけど、店長とか社長からしたら、従業員さんとかっていっぱいあるわけじゃないですか。私も3店舗ぐらい見てるときって、それこそ50人とか60人を管理してたわけですよ。でもこっちからしたら、もう1人1人はその他大勢じゃないですか。

田村:そうですね(笑)

高木:その他大勢なんですよ(笑)でも向こうから見たら、もう店長1人しかいないんですよ。だから向こうはこっちが思ってる以上に見てるんですよね。店長は私のこと全然見てないみたいな。私は言われることあるんですよ。「店長は私の事もう全然見てないよね」みたいなことを言われて、「まあ見れないよね泣」とも思ったんだけど、やっぱり見方が全然違うんだなと思ったときに反省して、それから60人とかいても10分とかちゃんとお喋りするような時間を設けるようにしたんですよ。

田村:その過程で高木さんも変わって、面談持つようになったんですか。

高木:そうそう。そういうのやったら、もうそれだけで全然変わるんですよね。5分とか10分っていうのはその人のためだけじゃないですか。それがあるかないかだけで、やっぱり向こうの受け取り方って全然変わるわけですよ。何もないのと比べてたった5分10分でもその人のためだけにわざわざ店舗の責任者が時間をとって話をしてくれてると。そこはやっぱりやった方がいいですよね。

田村:はい。

高木:やらない理由は特にないです。やった方がいい理由はいっぱいあるんですけど、やらない理由は忙しいとか面倒くさいとかそういうことじゃないですか。それじゃいい店にならないわけですよ。

田村:確かにそうですよね。従業員さんから見たら店長とか管理者の方にしか頼れないっていうところもありますしね。そうする事で店舗の雰囲気も変わっていくんですね、やっぱり。

高木:そうそう。だから評価制度とか入れるっていうのは本当いいタイミングだと思うんですよ。結局そういう個人面談とかがなかったりすると、「いや、あいつ本当に見てるのかよ」みたいな話になるじゃないですか。だから、その何人管理するかで個人面談の時間は変わっていいと思うんですよ。

田村:はい。

高木:でも私は別に10分とか15分とかでも全然いいと思うんですね。その時間でちゃんと記録してきたことっていうのを少しフィードバックしたりするだけで全然受け取り方が変わりますから。評価制度を運用していく際にはそういうところを意識して運営されるといいのかなと思いますね。

田村:なるほど。ありがとうございます。前回と今回で人事評価制度の導入の仕方と運用のポイントということで、わかりやすくお伝えいただきましてありがとうございました。

高木:はい、ありがとうございました。

田村:少しでも人事評価を使って、ぜひ人材を確保していきたいっていうところに繋がっていったらいいですね。

高木:そうですね。せっかく人事評価制度を導入したんであれば、それをうまく活用して、従業員の悩み解消とかモチベーションアップに繋げていただけるといいですよね。

田村:わかりました。前回と今回とでありがとうございました。

高木:はい、ありがとうございました。 

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