多店舗展開

現代において必要とされる自発的人材とは

「状況に応じて臨機応変に対応できるようになってほしいですよね…」
「自分でお店の問題を見つけて、改善していってもらえるといいんですけどね…」
「1教えたら5、10と行動に移していってほしいものです…」

上記は、ここ最近人材についてのお悩み相談で経営者からいただいたお声の一例です。
上記から見えてくることは、経営者が社員に期待することはただ「作業ができる」ことではなく、「自ら問題を発見し、解決することができる」ことといえます。
これは、現在の外部環境を反映した期待といえます。といいますのも、人口が増え、経済も成長していた時代は、企業に求められているのは“効率性”でした。この時代には、社員には「効率よく、言われたとおりに作業をすること」が求められていました。
ところが、経済が成熟化し、経済成長が鈍化している現代では、企業間での顧客の奪い合いが激しくなり、企業には“他社との差別化”が求められるようになってきています。この時代に社員に求められることは、ただ言われたことを言われたとおりにできることではありません。他社との差別化を図るために「自ら問題を発見し、解決策を考え、実際に行動し、解決できること」が求められるようになっているのです。前述の経営者のお悩みは、それを象徴する内容といえます。
そこで、各社が自発的人材を獲得すべく取り組んでいます。が、残念ながら、人手不足問題が深刻化する現代において、自発的人材は極めて稀な存在であり、そのような人材を中小規模企業が外部から採用することは非常に難しいものといえます。しがたって、企業が競合他社との差別化を図り、持続的な成長を遂げていくためには、自発的人材の育成をいかに進めていくかがキーポイントとなります。

(1)自発的人材育成の効果

自発的人材育成の効果は、業務マニュアルにもとづいて決められた作業を効率的にできるようにするといった通常の人材育成の効果と異なり、以下のとおり、人材の量や質、社内から社外にまで大きく波及します。

1.生産性向上

自発的に問題解決に取り組む人材を育成することで、社員が能動的に行動し、決められた業務範囲を超えた成果が期待できます。例えば、今まで3人で行っていた業務を2人でできるようになったり(省人化)、一人で複数の業務を担当できるようになったり(マルチタスク化)します。社員の能力が向上して企業の生産性が高まり、少人数での対応が可能になります。

2.モチベーションアップ

生産性向上など成果を出した自発的人材は、適正な評価を受けることで、業務に対するモチベーションが高まります。毎日同じ業務を淡々とこなすことに比べ、自発的に行動した結果の評価を受けることは自信につながるからです。そのような人材は経営幹部や店長からの信頼も厚くなり、結果として、より頑張ろうという意識が芽生えるとともに、会社に対する帰属意識も高まります。

3.人材採用競争力の向上

社員のモチベーションが高まった結果、定着率が向上し、人手不足に陥りにくくなります。多くの企業では、人手不足が生じてから人材を採用して育成・定着を図っているのではないでしょうか。これでは、すでに後手に回ってしまっています。その状態になる前に、既存社員を自発的な人材に育成することで、人手不足になることを未然に防ぎます。
また、自発的人材が働いている職場は、雰囲気も明るく前向きになります。社員がモチベーション高く業務に取り組んでいる企業は、求職者から見たときに、働く場としての魅力が高く、採用競争上も有利になります。結果として、採用活動の効率化につながり、採用にかかるコストや手間、採用した社員に対する教育の手間などの削減の効果が見込まれます。自発的人材育成・定着から、採用へとよい流れに変えましょう(図1参照)。

図1 採用⇒育成・定着から育成・採用⇒採用の流れを作る

上記のとおり、自発的人材を社内で育成していくことにより、企業の競争力の向上はもちろんのこと、人手不足問題を本質的な解決にもつながっていきます。

(2)自発的人材育成とは会社を持続的に成長させること

自発的人材育成は、短期的、対処的な人手不足対策への対策に留まるものではなく、会社の売り上げ増加や持続的成長をもたらす長期的、戦略的な取り組みと言えます。「企業は人なり」と言われるように、社員自らが問題を発見し解決策を考え、行動し解決できる自発的人材を育成することが競合他社との差別化、会社の成長につながります。取り組むにあたり、わからないことがあれば、専門企業に相談することをお勧めします。

(コンサルタント・中小企業診断士 木下岳之)

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