ネットラジオ『多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所』は、弊社代表の高木と社労士の田村陽太が、飲食店、整体院、美容院等の様々な店舗ビジネスの「多店舗展開」を加速させるために重要な事を対談形式でお話しするラジオ番組です。
第57回『高木さんは「21世紀型のれん分け」を推奨していますが、普通ののれん分けと何がちがうのですか?』いうテーマで店舗ビジネス専門コンサルタントの髙木悠が熱く語ります。
【ハイライト】
・日本経済新聞に高木さんの書籍が取り上げられました!
・昔と今を比較するのれん分けの変遷について
・独立意欲が旺盛な業態に向けてのとっておきの対処策
・現代ののれん分け制度導入の問題点
・のれん分けに向いている業種・業態について
・21世紀型のれん分けビジネスがもたらす未来の産業を語る
多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所。この番組は株式会社常進パートナーズの提供でお送りいたします。
店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠が最速・最短で年商30億、店舗数30超を実現する実証されたノウハウをコンセプトにのれん分け制度構築、FC本部立ち上げ、立て直し、人事評価制度の整備など飲食店、整体院、美容院などの様々なビジネスの多店舗展開を加速させるために重要なことを対談形式で分かりやすくお話しする番組です。
田村:こんにちは。パーソナリティーの田村陽太です。配信第57回目となりました。本番組のメインパーソナリティーをご紹介します。店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠さんです。よろしくお願いします。
高木:よろしくお願いいたします。
田村:高木さん、今日も頑張っていきましょう。
高木:はい。
田村:本日のテーマはこちらとなっております。「高木さんは、21世紀型のれん分けを推奨されていますが、普通ののれん分けと何が違うのでしょうか。」ということなんですけども。これ、あれじゃないですか?この前特別回で出した21世紀型のれん分けビジネスの教科書を見て、おたよりが来たんですかね?
高木:いや、21世紀型のれん分けとの違いを聞いてきていますから、本は読んでいないんじゃないですかね。
田村:読んでないですかね(笑)高木さん、21世紀型のれん分けビジネスの教科書が日経新聞に出たんですよね。
高木:そうなんですよ。出版社の自由国民社様が本のプロモーションをかけてくださって、それで日経新聞の2面に21世紀型のれん分けビジネスの教科書を掲載していただいたんですね。
田村:それはすごいですね。結構全国の方に対しても広く周知されているって感じになってますね。
高木:なのでやっぱりあの後反響がありまして、興味持ってくれた方が「買いました!」と連絡をいただいたケースもあったので、こののれん分けっていう手法が求めていた人に届くっていうのは嬉しいですね。
田村:よかったですね。それを見てなのか何なのかわからないですけど、今回お便りをいただきまして、普通ののれん分けと何が違うのでしょうかという話なんですけども一緒ですか?これは違うんですか?
高木:昔ののれん分けっていうのは、もう江戸時代とかそれ以前からあるという風に言われていますけど。例えば独立するわけじゃないですか。働き手が独立するっていう選択肢が、昔ののれん分けっていうのは、「結果」として与えられたものなんですよ。
田村:はい。
高木:これを少しわかりやすく説明すると、働き手がお店とかで働き始めるわけじゃないですか。その時代には、その会社にはのれん分けしてあげますよなんていうルールはなくて、働き手は一生懸命会社のために頑張るわけですよね。
田村:はい。
高木:そうやって働いていって10年とか20年とか働いていくわけじゃないですか。そうすると店主はもう年をとっていきますよね。そのお店は自分の子供とかに譲るわけじゃないですか。でも20年とか一生懸命勤めてくれた働き手の方にやっぱりその人を何とかしてあげたいみたいなことを店主が思い出すわけですよ。
田村:はい。
高木:それで、今まで一生懸命頑張ってくれたから、「じゃあうちの看板貸してあげるから、違うところでこれをやってみないか?」と言って、結果的に頑張っていたらのれん分けというものが与えられるようになったんですね。
田村:なるほど。
高木:これが昔ながらののれん分け制度の大体の仕組みですよね。
田村:なるほど。ではその21世紀型というのとは違うという事ですね。
高木:そう。それで最近ののれん分け制度っていうのはどうなっているかって言ったら、結果として、のれん分けが認められるっていうケースはあるはあるんですけど、それは少数派になっているんですよ。
田村:そうなのですか。
高木:大体会社の人事制度の一環として、のれん分けによる独立っていうのがもうビルトインされているんですよね。だから働き手から見たら、もう入社する前からこの会社には社内で頑張っていく道とのれん分けで独立するっていう2種類の道があるっていうことがわかっているような仕組みのそこが大きな違いですよね。
田村:なるほど。昔は本当に頑張った方に対してのれん分けがあったけども、今はもう会社の社内制度としてそういうのを提供していっているのがポピュラーになってきているって感じですね。
高木:はい。
田村:なるほど。高木さんがこういうのを提唱していったきっかけって何かあるんですか。
高木:私がそのあり方を提唱したというよりは、のれん分けがどんどん発展していったんです。例えば美容院とか飲食店とかっていうのは、働き手の独立心が旺盛なんですよね。
会社で一生懸命働いているとやがて、自分で独立してお店をやってしまうんですよね。
田村:はい。
高木:そうすると会社と独立した人との関係もそこで終わってしまうし、本部からしたら特に美容院なんかはお客さんを連れて独立してしまったりするわけですよね。困った問題になっていたわけですよ。
田村:はい。
高木:じゃあ昔ののれん分け制度っていうのをうまく使って、独立はするんだけど会社も応援して、そのグループ内で独立してもらって、独立後も関係を続けていこうみたいな風に、徐々に発展していったんですよね。
田村:なるほど。
高木:そういう風に発展していったんですけど、昔ののれん分けと今ののれん分けの要は切れ目が曖昧で、のれん分けっていうと両方とも指して広くのれん分けって言われていたわけですよ。
田村:はい。
高木:その結果いろんな問題が起きたんですよね。
田村:なるほど。どんな問題点があったんですか。
高木:例えば昔ののれん分けを前提とする場合、20年間とか頑張ってきて、本部の社長が「もうこいつはこんなに頑張ってくれたし、もう何とかしてあげたい。会社にも貢献してくれたし。」とのれん分けさせるわけじゃないですか。だからもう信頼関係は抜群だし、相手がどれぐらいの力量かも十分にわかっているし、逆に言うと信頼が持てないとか、力量が不十分な人って独立をさせないわけじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:だから、正直口約束とかでもいいわけですよ。それだけの関係性があるから。だけど今っていうのはそうじゃないですよね。例えば人事制度の一環として入っている場合っていうのは、会社で20年頑張って選ばれた人だけ独立できるみたいな制度になってないんですよ、大体。大体入社してから3年とか5年ぐらいで独立できないと魅力にならないじゃないですか。
田村:確かにそうですね。制度にならないですもんね。
高木:そうそう。でもそうなると、そもそも前提条件が全く違いますよね。
田村:会社の看板自体も汚してしまう可能性ありますよね、若いご経験の方だと。
高木:そう。そういうことが起きないように、独立した後の関わり方とかっていうのもちゃんと設計しておかなきゃいけないですし、そもそも何か問題が起きたときにも、お互い納得して解決できるような準備をしとかなきゃいけないじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:という風にだんだん変わってきていたんですよね。だけどそれを一緒くたに「のれん分け」って言うところに結構違和感があって、昔ながらののれん分けを採用するケースってだから少数になってきてるんですよ。
田村:今日本の企業でもそういうのって少なくなっているんですか。
高木:そう。大体のれん分け制度入れたいっていう会社はもう人事制度の一環としてつまり従業員さんのキャリアパスとしてこれを作ってあげたりとかっていう風な形で入れているんですよね。
田村:はい。
高木:だったらもうその部分を「21世紀型ののれん分け」ってことで切り出して、そこの考え方をお伝えしていこうっていうのが、本を出版する際の基本的な考え方ですね。
田村:なるほど。新しい今の時代に合ったのれん分けっていうのを、21世紀型のれん分けビジネスとして高木さんが提唱しているわけですね。
高木:そうそう。昔からあって段階的に発展していったものを、改めてそのモヤモヤとしていたものを再定義したというようなイメージですよね。
田村:なるほど。ありがとうございます。ちょっと質問したいのですけども、21世紀型のれん分けビジネスっていう事で、先ほどおっしゃっていましたけど、勤務経験とか実績が少ない方がのれん分けするっていう選択肢が出来てきたわけじゃないですか。
高木:はい。
田村:そこら辺の難しさっていうのを企業はどのようにして克服していくものなのですかね。
高木:そこはなかなか難しい問題ですよね。2年とかその3年間っていう「時間」はどうにもできないじゃないですか。まずその2年から3年間の間にどれだけ目的意識を持って、本部が行いたい教育とか本部と独立者の関係性構築を進めていくかですよね。だからそこは意図を持って仕組みを作っていかないといけないですね。
田村;なるほど。そうするとのれん分け制度っていうのを入れる前からどのようにして会社が進んでいくべきかという事は考えなきゃいけないという感じですね。
高木:のれん分け制度導入のときに考えてもいいと思うんですけど、例えば独立させるからには、従業員さんには経営リテラシーを身に付けてもらわなきゃいけないじゃないですか。
経営者としての基本的な心構えとかですね。でもそんなことって普通の教育では教えないですよね、なかなか。
田村:そうですね、確かに。
高木:だからそういったところっていうのも、例えば3年間で独立できるっていうなら、3年間で教えておかないといけないじゃないですか。どうやって教えるんですかっていうことをちゃんと逆算して、仕組みに入れとかなきゃいけないじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:こんなイメージで、入社してから独立までの道を描いてあげる必要がありますし、それだけじゃ限界があるので、独立した後の関わり方っていうのもちゃんと決めておかないといけないですよね。
田村:なるほど。ありがとうございます。もう1個質問したいんですけど、このような21世紀型のれん分けビジネスっていうのを、使いやすい業種というのはどのような業態が多いですか?何業とか美容業とか色々あると思うんですけど、どういうところが使いやすいですかね。
高木:業種業態で言ったら、基本的にもうほとんどの業種業態で活用はできるんですけど、独立者の性質を考えると、のれん分けの利用者っていうのは基本的に自分で独立したいんだけど、そのリスクをなかなか踏み出せず、会社に後押ししてもらって、やっと独立できるっていう方なのですよ。
田村:はい。
高木:だから自立で独立できるような人と比べると、リスクを比較的回避したいタイプなんですよ。だからその事業リスクが低いビジネスモデルっていうのは、やっぱりのれん分けしやすいんですよ。
田村:なるほど。
高木:例えば具体的に言うと、初期の投資資金っていうのが比較的低額で済むとか、あとは、事業を実施する際の雇用する人材が少ない事業とかですね。というのは、いきなり大箱構えてたくさん人を雇うとかと比べると明らかにリスク少ないじゃないですか。そういうモデルっていうのは、のれん分けしやすいですよね。
田村:確かにそうですね。なるほど。なんか僕のイメージだとこの業種だったらのれん分けに向いてるとかと風に思ったんですけど、やっぱり人ありきなんですね。いきなり自分で独立するってよりかは、「独立したいけどちょっと不安だな」っていう方を対象にのれん分けシステムを構築していくという事ですね。
高木:そうそう。そういう人の背中を押せるような業種業態だったりもしくはその本部が持っている仕組みがある会社ですね。例えばうちはよく言うんですけど、のれん分け制度を使うかそれとも自分で独立するかっていうのは絶対従業員さんは悩むじゃないですか。
田村;はい。
高木:のれん分けを選ぶからにはそれなりのメリットがないと駄目じゃないですか。そこに本部が提供できるメリットって何かなって考えると結構限られているんですよ。例えば自己資金が足りなくて独立できないっていう人に資金的なサポートしてあげるとかいろいろあるんですけど、わかりやすいメリットとしては例えば本部の看板使っていると、これだけ集客できますよみたいなものとかですね。
田村:なるほど。
高木:自分でお店を作ると、自分の看板なんかゼロから立ち上げるわけですから、集客は難しいじゃないですか。だけど本部の看板を使う、もしくはすごい人が見るウェブサイトを本部が持っていて、そこに店舗の事を載せるだけで、毎月どれぐらい集客できるよと言われたら、めちゃくちゃ魅力的ですよね。
田村;そうですね。
高木:そういうわかりやすいメリットが提供できる本部であれば、のれん分けしやすいですよね。
田村:なるほど。ありがとうございます。もう結構時間が近づいてきたんですけれども、最後の質問というよりは高木さんのお考えを聞きたいんですけども、結構まだまだ日本って、起業意識が低いじゃないですか。10%以下とか、結構サラリーマンの方が多い世の中だと思うんですよ。
高木:はい。
田村:こういう21世紀型のれん分けビジネスっていうのがどんどん広がっていくと、そういう起業意識っていうのも高まっていって、起業率が高まっていくんじゃないかなと僕は個人的に結構魅力的なものかなと思うんですけども、高木さんはどうお考えですか。
高木:私は起業意識を高めていくとかっていうのはあんまり視点にはなかったんですけど、何回か前に当事者意識を持って働くみたいな話をしたんですけどね。私らの今の時代の捉え方っていうのが、もう基本的に会社に依存して、会社に守られてしか生きていけない人ってものすごいリスクがあると思うんですよ。
田村;なるほど。と言いますと?
高木:というのはコロナで明らかになったことだと思うんですけど、急に環境が変わって、ものすごい大企業でもいきなり事業が立ち行かなくなるという事が起きうる事態になったわけじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:突然社会にほっぽり出されるときが来るリスクって今誰しもあるわけですよ。例えばそれを大企業で働いていて安心と思っている人が、ほっぽり出されたときに、自分で起業するかもしくは他の会社に入っていても価値を見出せる人間になってないと、その人はもう生きていけなくなっちゃいますよね。
田村:そうですね。
高木:だから、これからの時代って「自分でどこに行っても活躍できる人材」になる必要があると私は思っていて、その最もわかりやすい道っていうのが起業家だと思うんですよ。起業家は会社からほっぽり出されたって生きていけるわけじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:だからそういう力を身に付ける必要が働き手はあると思うんですよ。そういうのを本部も、自分の会社で働く従業員さんを幸せにするためにも、そういう教育をしていかなきゃいけないですし、結果としてのれん分け制度で独立すれば、もう起業家になるわけですから、すごくたくましい人になるわけじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:それで自社が関わった社員の方がみんな幸せになっていくみたいな体制ができると私は嬉しいなと思って、こののれん分け制度を推奨しているというそんな感じですかね。
田村:なるほど。コロナ禍の将来と今のビジネスの行方がマッチしてきているところが、21世紀のれん分けビジネスで明らかになってきたんじゃないかなっていう風に思いますね。本日は、21世紀型のれん分けビジネスについてお話をいただきました。ありがとうございました。
高木:ありがとうございました。
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