多店舗展開

新型コロナによる環境変化を踏まえたビジネスモデル転換の必要性

新型コロナウイルス感染症の影響により、従来の生活様式を変えることの必要性が問われています。

最近では、出口戦略へとステージが変わってきていますが、とはいえ、新型コロナウイルス感染症の脅威がすぐになくなるわけではありません。
「afterコロナ」ではなく、「withコロナ」の社会変革に迫られています。

このような中では、商売の仕方も当然変わることでしょう。
未来予測は難しいですが、考えられる社会変化に対応するための準備を早急に進めていくべきでしょう。

そこで今回はビジネスモデル転換の必要性について考察します。

なお、店舗ビジネスが環境変化に対応するために必要な「のれん分け制度」について詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。

事業拡大したい経営者必見!のれん分け制度をつくる7つの手順と、成功の3つのポイント

(1)新しい生活様式に合わせたビジネスモデル転換の準備

緊急事態宣言に伴い、全国民が行動変容に迫られました。
緊急事態宣言解除のタイミングが話題になっていますが、一時的な制限からの解放とは別に、恒常的に変わる生活様式・国民の意識変化を見据えて、ビジネスモデルの在り方を考えていく必要があります。

一例としては、以下のような着眼点が挙げられるのではないかと思います。

①デジタル対応

オンライン授業、オンライン診療、オンライン手続き、オンライン決済、テレワーク等といったデジタル対応が求められています。
これは、今後避けられないトレンドになるでしょう。

対応が遅れている企業は、デジタル化への投資が避けては通れない課題となります。
ここへの投資ができないと、淘汰される世の中になりました。

新型コロナ危機を通じてデジタル化のメリットを享受した消費者は、アナログの世界へ後戻りはできません。
店舗ビジネスを営む企業としても、この変化に対応できなければ、顧客の選択肢から排除されてしまいます。

消費者は、既に日常業務や日常生活の生産性・効率化から豊さを探そうとしています。
そのニーズに対応するためには、今後、デジタル化への移行は必須と言えます。
企業がデジタル化を進めることで、オペレーションが簡素化され、効率性が高まることも、メリットとして見逃せません。

デジタル化は若い世代ほど敏感と言えますが、高齢者は感染症へのリスクが高く、また物理的な移動の社会弱者ですので、デジタル化が実装された世界は、実は高齢者ほどメリットを享受できるとも考えられます。
世代を超えた仕組みの構築が急がれるのではないでしょうか。

②情報セキュリティー強化

デジタル化が進行するということは、情報セキュリティ強化も不可欠です。
今後のビジネスにおける最大のリスクが、情報セキュリティになるでしょう。

マイナンバー定着への議論が高まり、事業者へ一定の規制緩和も広がれば、企業が大きなリスクを抱えることになります。
システム部門の強化・情報セキュリティに対する企業ポリシーの確立、人材の確保は避けられません。

③ソーシャルディスタンスを踏まえた店舗設備・レイアウトの見直し

ソーシャルディスタンス(社会的距離)の意識も定着するものと考えられます。
自動ドアが求められ、座席数・施術席数・平米当たりの収容者人数、通路幅の確保、換気の手段、手洗い場の数を意識しなければなりません。

これらからは、保健所の営業許可基準も変わるかもしれません。
更なる衛生意識の高まりは避けられないのです。

マスクの装着、消毒液の常備等、追加コストも発生します。
小売店であれば冷機の温度チェック・廃棄チェク時間に合わせて、換気時間のオペレーションも追加となるでしょう。
逆に過剰な挨拶は、今後減らしていく必要があるかもしれません。

④時間の使い方の変化への対応

休業・自粛生活により時間が生まれ、家族との時間・自分の時間が自然と確保され、今まで手を出さなかった領域に踏み込んだ人も多いでしょう。
例えば、オンラインでの買い物・デリバリー・ゲーム・ネット配信サービスです。
こういったビジネスが定着していくきっかけとなることは間違いありません。

人は利便性を味わうと後戻りできないものです。
デジタル化と同時に、消費者の時間に対する意識も一層高まっていくものと考えられます。

「食」については中食・外食の需要が更に高まるでしょうし、「学ぶ」「遊ぶ」「健康」についても同様です。
「時間確保」は消費者にとって一層重要なキーワードのなるのではないでしょうか。

 

(2)逆風の影響を受ける企業と乗り越えられる企業

新型コロナウイルス感染症問題は、すべての企業に少なからず影響を及ぼしているでしょう。
多くの企業が、急激な売上減少に見舞われています。

一方、このような環境の中でも、好調な業績を維持している、または軽微な影響に抑制している企業が存在することも事実です。

もちろん、業種・業態の特性によって影響の大きさにはばらつきがありますが、どのような業種・業態であっても、この危機にうまく対応している企業が存在することは見逃せない事実です。

このような企業を見ていると、消費者ニーズをしっかり捉え、イノベーションを起こし、変化への対応してきた企業であることがわかります。
単なるラッキーではなく、逆風の中でも追い風を享受できる、または乗り越えられる要素がどこかにあるのです。

すなわち、日頃の準備度合いが、差別化・格差を生んでいるのです。
この点に目を向け、次に起きる環境変化に向けて準備を進めていくべきでしょう。

 

まとめ

バーチャルとリアルの世界を行ったり来たりするのがこれからの社会です。
どちらにも対応する商売となると本当に大変です。

しかしながら、これは避けて通ることのできない現実です。
この現実から目を背ければ、この先、環境変化に対応していくことができないのは明らかです。

今はまさに転換期ですので、リスクを見極めながら、知恵を出すしかありません。
危機管理、事業継続の観点からも、B C P(持続可能な事業計画)の重要性も高まってくるでしょう。
「バーチャルとリリアル」「新たな取り組みとリスク」、この両輪で知恵を出し、環境変化を乗り越えましょう。

 

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