経営理念とは、その会社の存在意義や使命を普遍的な形で表した基本的価値観です。「会社は何のために存在するのか」ということを明文化したものといえます。
経営理念を明確に描くことで、経営者は基本的な考え方を内外に伝えて共有化することや、社員に対して行動や判断の指針を示すことができるようになります。
経営理念に対して社員が共感・共鳴することで、働くことへのモチベーションアップが期待でき、チームとしての求心力アップにもつながります。経営理念は、会社の競争力を高める重要な要素となるのです。また、経営理念と同時に、会社が将来的に目指す姿をビジョンとして明確に描くことで、社員が夢をもって働くことができる職場づくりの第一歩を踏むことができます。裏を返せば、経営理念やビジョンが明確でない会社で、従業員のモチベーションを高めることは不可能です。
経営理念は経営者の想いが表現されたものであるため、抽象的になりやすく、社員への浸透が進みにくい部分もあります。例えば、「すべてはお客様の笑顔のために」という理念を目にすることがありますが、お客様の笑顔のために行動する内容は、経営者と社員で大きく異なるかもしれません。そこで、経営理念策定と同時に、経営理念を具現化するために必要な行動を、行動指針として整理します。これにより、経営者と社員の認識が統一され、同じ方向を向いて進んでいくことが可能となるのです。
また、経営理念やビジョン、行動指針を設定するだけでは意味を成しません。それらに対して従業員が共感・共鳴してこそ意味を成します。ですから、経営理念や行動指針を策定後は、これらを従業員に浸透させるための取り組みが必要です。